初めてのプレゼントとは。
クリスマスを数日後に控えたある日の夕方。
僕は池袋で女の子と待ち合わせをした。
こんな性格だから。
友達の女の子と飲みに行ったり。
遊びに行ったりなんていくらでもしてきて。
正直に言わせてもらえば。
もはや。
デートをしているという気持ちすら麻痺しているような。
そんな毎日を過ごしていたけど。
珍しく僕は緊張をしていて。
約束の時間よりもかなり早く待ち合わせ場所に着いた。
約束の時間の少し前に。
待ち合わせ場所に来た彼女は。
少し申し訳なさそうな顔をして。
「ごめんなさい。待たせちゃいました?」
と優しく聴いてくれた。
「いや。今来たところだよ。」
なんて僕はまるでどっかの恋愛ドラマをそのままパクったような返答をして。
照れ隠しをした。
まさか彼女とデートできるなんて想いもしなかったな・・・。
そんなことを想いながら僕は彼女と歩き出した。
少し緊張している僕は。
隣を歩く彼女にうっかり触れたりしないように。
手がぶつかったりしないようにと。
どうでも良いところに気を使いながら歩き出した。
有頂天な僕は。
話したいことなんて山のようにあって。
好きな子の前で空回りしてる男の子のように。
とにかく思いつくことを色々と話した。
何が言いたいのか自分でもわからなくなっていたが。
とにかくはっきりしていることは。
彼女と2人の時間が楽しいということだ。
あれこれ話ながら僕は。
「ちょっと見たいものがあるんだけど・・・サンシャインに行ってもいい?」
と僕は彼女に提案した。
「いいですよ」
と優しく答えてくれた彼女と僕はサンシャインまで歩いた。
本当に見たいものがあったのか。
それともサンシャインだったら歩く距離が長くなるから。
という理由で遠いサンシャインを選んだのかはもう覚えてないが。
唯一覚えてることがあって。
それは。
サンシャインの中にある帽子屋での出来事。
実は僕は帽子が似合わない。
けど。冬だしニット帽が欲しいという欲もあって。
帽子の会話を彼女にしてみた。
「俺って帽子が似合わないんだよね・・・」
「そんなことないですよ。」
「いや。本当に似合わないから。何被っても似合わないんだよ。」
「えー似合うのあると想いますよ。」
そんな会話をしながら。
僕らは帽子屋に入って。
適当に選んだニット帽をかぶって彼女に見せた。
「ね?似合わないでしょ?」
「・・・んー・・・」
と言いながら彼女は帽子を探し出して。
「これなんかどうですか?多分似合うと思うんだけどな・・・」
と言って1つのニット帽を選んでくれた。
それを被って。
鏡を見てみる。
今まで被った中で1番似合っていて僕は驚いた。
「あれ?本当だ。これなら変じゃない。」
「うん。似合う。似合う。」
「いやー自分でもビックリだわ。ありがとう。俺でも被れる帽子があることを知れたよ。」
彼女は優しく微笑んでくれた。
そして。
僕が他の帽子を見てるうちに。
彼女はこっそり僕に気付かれないようにその帽子を買ってくれて。
「クリスマスプレゼント。」
と言って僕にプレゼントしてくれた。
一生。忘れることのない初めてのデートの話。
その後。
僕らは居酒屋で飲んで。
3軒ハシゴして。
終電を逃した僕らは。
池袋から歩いて帰った。
数時間かけて。
めちゃくちゃ寒くて。
足も棒になったけど。
でも。
良い記憶として今も僕の中に残っている。
このデートから1か月もしないうちに。
僕らはお付合いをして。
その4年後。
僕らは結婚した。
そんな僕と優紀の最初のデートの話。
と言うことで。
ちょっと小説っぽく書いてみました。
楽しめました?
これ実話です。
もともと本を書きたい。
ってのがブログを続けてるきっかけみたいなものなので。
いつもと形を変えて書いてみました。
感想お待ちしております。
今日も読んでくれてありがとう。
明日からはいつも通り書きます。